弊社の総合カタログ Scape Design Vol.6から、職人の手仕事による個性豊かな面状が魅力のタイル「校倉(あぜくら)」を製造工程とともにご紹介します。
温かみと味わいを感じる「やきもの」タイル
「校倉」はオールドレンガのような質感をもった重厚感のあるタイルです。粘土を主とした原料に顔料を加えて無釉で焼成しているため、素地そのものの色が現れています。やきものらしい色むら・面状のゆらぎが大変味わい深いです。

5種類のカラー

「スクラッチ面」「ブラッシュ面」「筋面」の3種類の面状・2種類のサイズ

焼き物らしい自然な色幅が魅力
校倉を製造していのはタイルの町・笠原にある老舗湿式タイル工場。湿式タイルは、押し出し成型機から水分を含んだ原料をところてんのように押し出して成形します。

タイル作りは原料の配合から行われる。

機械と手作業で丁寧に作り出されるタイル。

シャトル窯で焼成。
個性豊かな面状
「ブラッシュ面」「スクラッチ面」「筋面」の3種類の表面加工。校倉は、面状の豊かな表情が特徴的です。製造工程では、職人のアイディア溢れる創意工夫がきらりと光ります。
ブラッシュ面

職人がこだわったという「くし」はブラッシュ面を仕上げる際に活躍する。

ひとつひとつ手作業。ランダムに模様がつくよう軽快に手を動かす。

ピンと張ったワイヤーで幅をカットし、くし引きで発生した盛り上がった部分をローラーで押さえる。
スクラッチ面

スクラッチ面を仕上げるときに使うのは「くぎ」。

タイルがくぎの下を通ると引っ搔いたような跡が。

釘の深さやピッチに変化を持たせるのがコツ。
筋面

成形機の先端につける口金。筋面状は口金についたノコギリの刃で模様を付ける。

口金をよく見ると、ギザギザの刃が。生地が口金を通るときに筋が付く。
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押し出し成型機の口金について
押し出し成型機の出口に付ける口金には色んな形状のものがあり、付け変えることで、断面面状の異なる様々なタイルを生産することが可能です。

施工例
色とテクスチャーが主張しすぎない校倉は、組み合わせ次第でトラディショナルな和風空間や自然の風合いを楽しむ地中海風デザインなど、インスピレーションに合わせてお使いいただけます。

多治見駅北トイレ。ブラッシュ&筋面状のあたたかみのある壁面

多治見駅北トイレ。土壁のような繊細で多様なテクスチャー

多治見市火葬場 華立やすらぎの杜。陶壁アートの背景として主役を引き立てます

多治見小泉小学校。タイルの質感が織りなす陶壁

筋面状をミックスして楽しむナチュラルなテイスト

いぶし瓦のような重厚感は和モダンな空間にぴったり
まとめ
土そのものの色合い・やきものらしい色幅・職人の意匠による一つとして同じもののない校倉は、湿式タイルの醍醐味を存分に味わえます。個性的で落ち着いた空間演出に是非、お役立てください。