建築デザインの完成度は、ディテールの処理に集約されます。なかでも面が切り替わる「出隅(コーナー)」の処理は、設計者が最も神経を使うポイントです。
コーナーの収まりを良くする方法として、留め加工という選択肢もありますが、「役物タイル」でしか到達できない意匠性と機能美を持った空間デザインがあります。今回は、役物タイル「3Dトリム」と、平物タイル「スキームラージフォーマット」がもたらす価値を整理します。
シームレスな空間を演出する「役物タイル」
出隅をシャープに見せる「留め加工」は、ミニマルな空間を追求する上で欠かせない技術です。しかし、コーナー専用の「役物タイル」は、出隅に「意匠」をつくるという、もう一つの上質な選択肢となります。
コーナー専用に設計された3Dトリムを配置することで、出隅部分にしっかりとした「肉厚な質感」が加わります。平らな角には出せない役物特有のなだらかなアールや段差は、照明によって上品な反射や、豊かな陰影を生み、空間全体に格調高い重厚感を与えます。
施工場所:東急歌舞伎町タワー
設計:久米設計・東急設計コンサルタント設計共同企業体
外装デザイン:永山祐子建築設計
企画・プロデュース:株式会社POD
施工者:清水・東急建設共同企業体
使用タイル:SHL-301 / スクエアトリム6種
タイルを削り合わせて「カドに合わせる」のではなく、「専用の役物」を使うからこそシームレスで美しい収まりが実現するのです。
【タイルの豆知識】役物(やくもの)タイルとは?
一般的な平らなタイル(平物)では納まりにくい「出隅部(コーナー)」、「床面と壁面の境界」などに使用するために、あらかじめ特殊な形状に成形されたタイルの総称です。
役物タイルは、出隅のカドを覆うだけではなく、床面から壁面への立ち上がり(幅木部分)をなめらかに繋いだり、段鼻(階段の先端)を保護したりと、多岐にわたります。
低コストな代替品や、工期を短縮できる便利な既製品が溢れる現代においても、細部にまでこだわることが、均整の取れた空間演出のカギとなります。
ゲストに寄り添う、柔らかな空気感
3Dトリムとスキームラージフォーマットの組み合わせは、意匠性が求められる「什器」や、清潔感が重視される「水回り」でその真価を発揮します。
※3Dトリムは スキームラージフォーマット 97角マットホワイト(SHL-300)、97角ブライトホワイト(SHL-301)向け役物です。
店舗や施設の顔となるカウンターは、ゲストがチェックインや会計の際に最も多くの手が触れ、目につく場所でもあります。3Dトリムのコーナーが描くなだらかなアールは、光を優しく受け止めることで、空間全体に上品かつ柔らかな印象をもたらします。
※3Dトリムのサンプル請求は有償にて承っております
※掲載画像はAIによって生成されたイメージであり、実際の施工事例ではございません。空間づくりの参考としてご覧ください。
もちろん、スキームラージフォーマット(平物)のみで構成する、ミニマルな空間演出も可能です。スリムな47×97角から、97×197角まで、全6種類のサイズラインナップ。これらを組み合わせることで、タイルが持つ「清潔感」をストレートに引き出した、凛とした空気感を生み出します。
3mm目地を想定して設計された「スキームラージフォーマット」の整然と通るグリッドラインが、角を優しく繋ぐ3Dトリムと交わることで、清潔感が生まれます。ブライト仕上げの白さが光を反射し、朝の陽の光や夜の柔らかな照明を、より美しく引き立てます。
【特注色対応】空間に合わせて、自由な色彩を
既製品の枠を超え「プロジェクト独自のテーマカラーを実現したい」そんな設計者のこだわりに「特注色」でお応えします。
艶やかな光沢が特徴のブライト仕上げなら、定番のホワイトだけでなく、空間のアイコンとなるようなイエローやパープルといった鮮やかな色彩での製作も承っております。
平面のタイルだけでなく、コーナーを彩る「3Dトリム(役物)」まで一貫したカラーで揃えることが可能です。 デザインの意図を途切れさせることなく、角の先まで理想の色彩で統一した、唯一無二の空間演出を叶えます。
まとめ
3Dトリムが生み出す柔らかなアールと、スキームラージフォーマットが描く整然としたライン。この組み合わせがもたらすのは、単なる機能性だけでなく、そこに身を置く人がふと感じる「本物の安心感」や「清々しい空気感」そのものです。
「神は細部に宿る」という言葉があるように、古くから大切にされてきた細部への設えを、現代の空間にもたらします。 理想の仕上がりを追求する設計者の皆様のこだわりに、私たちは確かな質感でお応えします。
まずはその手触りや光の反射を、実物サンプルでお確かめください。理想の空間づくりを、私たちが全力でサポートいたします。
※3Dトリムのサンプル請求は有償にて承っております